第五十七話:邪魅

解説:「邪魅は魑魅の類なり。妖邪の悪気なるべし」(今昔画図百鬼)
鳥山石燕が言うことには、邪魅とは魑魅の仲間であるらしい。今昔画図百鬼には、風の中から身体の半分を出している、狐のような化物の姿が描かれているが、魑魅の仲間だということから、これも山の精の類であると言える。
江戸時代の「百鬼夜講化物語」という妖怪絵本の中に、魑魅魍魎の母子が登場する。魑魅が親、魍魎が子供なのだが、魍魎が、
「かかァ、ちちをくゐきつてやらふ」
などと言っていて、かなり凶暴である。

ちなみに、京極夏彦氏の「陰摩羅鬼の瑕」に続く次回作のタイトルが、「邪魅の雫」であるらしい。


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