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第五十六話:鎌男

解説:今まで超常的怪談を紹介してきたが、百物語の中に一話ぐらいこんな話があってもいいだろうと思うので、ここに紹介することにしよう。

●或るマンションに若い女性が一人で住んでいた。ある時、女性は自分の部屋に友人を連れてきた。
「お邪魔しまーす。結構キレイにしてるのね」
友人は壁、天井と見回しながら部屋へ入っていった。
二人はしばらくの間、自分達の周りの人に関する他愛のない話で時間を潰していた。部屋の持ち主である女性は、友人を座布団の上に座らせ、自分はベッドに座って話を続けた。
ところが、話が盛り上がっている最中、彼女の友人がこんなことを言い出した。
「ねえ、おなか空かない?」
「え、別に」
「私アイスクリーム食べたくなってきちゃった。二人で買いに行きましょうよ」
「私はパス。あんた一人で買ってきなさい」
女性はあまり動きたくなかったので、友人にこう言って自分は部屋に残ろうとした。ところが友人は、半ば声を荒げて彼女に言った。
「いいから!私の言うとおりにして」
彼女の友人は普段これほど感情的になる人ではないので、これには彼女も驚いた。そして渋々ながら、友人に付き合ってコンビニへアイスを買いに行くことにした。

部屋を出て、二人は無言で夜道を歩いた。女性の友人は彼女の手を引きながら、早足で歩いたので、彼女も自然とそうするしかなかった。そしてコンビニの前まで来たところで友人が沈黙を破った。
「急いで警察に電話しましょう」
「一体さっきからどうしたのよ。今日のあんた、何か変よ」
すると友人は、青褪めた顔でこう言った。



「あんたあれに気付かなかったの?あんたの座っていたベッドの下に、鎌を持った男が隠れてたのよ」

もし彼女の友人の機転が利かなかった場合、二人がどうなっていたのかは皆さんのご想像にお任せすることにしよう。

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