第八十三話:桂男

解説:「月は船星は白波雲は海 いかに漕ぐらん桂男はただ一人して」(梁塵秘抄)

「かつらおとこ」と読む。こんな名前なので、禿頭の中年男性を思い浮かべる人もいることと思うが、桂男とは月の隈のことである。月も禿頭も丸く、輝くという共通点はあるが・・・。
昔の人は、月の隈に男の姿を見たのだろうか。中国では、月に月桂樹の林があり、それを桂男が伐っていると云われていた。兎が餅を突いているのと同様、月で桂男が月桂樹を伐っているように見えたのだろう。
ただしこの桂男、人間が長く見すぎると、手を招いてその人の命を縮めてしまうという。


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