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第九十二話:火前坊

解説:「鳥部山の煙たちのぼりて、竜門原上に骨をうづまんとする三昧の地よりあやしき形の出たれば、くはぜん坊とは名付けたるならん」(今昔百鬼拾遺)

●京都鳥部山は嵯峨化野(あだしの)とともに、平安時代に火葬場があったことで有名な場所。「徒然草」の中でも「あだし野の露消ゆる時なく、鳥部山の煙立ちさらでのみ住み果つる習ひならば、いかに物の哀れもなからむ」などと、筆者が無常観を語る為に引き合いに出されている。平安の人々は鳥部山から立ち昇る煙を見て何を思ったのだろうか。

場所が場所だけに、こういったところには物の怪話がくっ付いてまわる。この「火前坊」も、そんな火葬場の妖怪である。「今昔百鬼拾遺」には、ミイラのようにやせ衰えた坊主の姿で描かれているが、彼を取り巻く炎は亡くなった人を最後に包んだ火葬場の残り火か。


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