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第十八話:天邪鬼

解説:様々な昔話の登場する鬼。一般に、右向けと言われれば左を向くような、人の言う事と正反対の事をする人をこの鬼の名で呼ぶ。

天邪鬼の登場する民話で最も有名なのは、やはり「瓜子姫」であろう。
昔、或る媼が川で瓜を拾う。すると、驚くべきことにその瓜から女の子が生まれてきた。媼は一人の翁と暮らしていたが、二人には子がなかったため、二人はその子供に「瓜子姫」という名前を付け大切に育てた。
瓜子姫は成長し、綺麗な娘となった。媼は瓜子姫に機織の仕方を教え、瓜子姫は毎日機を織った。
そんな或る時、瓜子姫の働きぶりに関心した或る人から、姫に結婚の申し込みがあった。二人は喜び、嫁入り道具を買いに町へ降りることとなった。
媼は瓜子姫に、
「いいかい、誰が来ても決して戸を開けてはいけないよ」
と言い残し、町へ下った。

そんな瓜子姫が留守をしていると、戸を叩くものがある。
「瓜子姫、戸を開けてくれ」
その人物は頼む。瓜子姫は拒んだが、窓を少しばかり開けてくれればいいと言われ、渋々ながらそのようにした。
すると、途端に長い爪が窓の隙間に入り、窓を壊した。
やってきたのは天邪鬼だった。
天邪鬼は瓜子姫を浚おうとした。しかし、瓜子姫は必死で抵抗し、天邪鬼の腕を思いっきり噛んだ。頭にきた天邪鬼は、瓜子姫の首を締め上げ、殺してしまった。そしてあろうことか、瓜子姫の皮を剥ぎ、それを身にまとって瓜子姫になりすました。そしてようやく二人は戻ってきた。

婚礼の日がやってきた。
目の前の娘が、姫の皮を被った天邪鬼だとは知らない二人は、大いに喜んだ。しかしそこへ一羽の烏がやってきて姫の正体をばらしてしまったので大変。二人が姫を掴み、その身体を洗うと、何と其処にいたのは見るも恐ろしき天邪鬼。
天邪鬼は逃げた。それを二人が追う。他の者もそれに加わり天邪鬼を追う。
天邪鬼はとうとう追いつかれた。そして皆によってたかって打たれ続け、血まみれになって死に絶えたという。

この伝説には様々なパターンがあるが、今回ここに書いたのはその一例である。姫が殺されないバージョンがあったり、瓜子姫の正体をばらしたのが雀だったりの違いがある。天邪鬼が瓜子姫の皮を剥ぎ、それを纏う場面もかの芳年の無惨絵の如く猟奇的だが、村人が天邪鬼を撲殺するくだりも何処か恐ろしいものがある。


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