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第十七話:鎌鼬

解説:風が吹いた時、身体に刃物で切ったような傷が出来たりするのはこの妖怪の仕業であると考えられてきた。
鳥山石燕はこの妖怪を一匹の鼬の姿として描いたが、鎌鼬は三匹いて、一匹が人間に突っかかり、二匹目が人間を切り、三匹目が傷に薬をつけるとも言われている。その為傷口からは血が出ず、痛まないのだと言うことである。

ここでは、「百物語評判」の「越後新潟にかまいたちある事」を見てみる。

●一人の者がこう語る。
「私に仕えている者の中に越後の男がおりますが、股の上部に大きな傷跡があります。何かあって逃げ傷を負ったのか、と疑わしく思いまして、その者に理由を尋ねて見ました。すると男はこんなことを言いました。
『これは私の国、または秋田や信濃などにも多くあるという、かまいたちと申すものに斬られた傷です』と。
「不思議に思って更に詳しく聞いてみると、
『例えば当地の者、旅人に限らず、あちこちを行き来している時に、突然高股やふくらはぎに鎌で切ったような鋭い傷が出来、傷口が開いているのに血が流れることはありません。その儘帰って寝ている時に、かまいたちの傷に慣れた薬師を呼んできて薬をつけてもらえば、暫くして傷は癒えます。命に関わることではなく、またさして珍しいものでも御座いません。私も新潟から高田へ参る際に、このかまいたちに遭いました。しかし都の人、または名字のある侍はこれに遭わないそうです』
「と語りましたが、これは本当のことでしょうか」
すると先生(作者)はこれを聞いて、
「大体天地の勢いというものは、南が陽で暖かいので物を長じ、北は陰で寒いのでものを殺ぐというのが道理である。越後や信濃は北国の果てであるので、物を枯らそうとする粛殺の気が集まり、風は激しく吹き、気は冷たいのだ。それを乗じて山谷の鬼魅がかまいたちを成すのである。都の人や名字のある侍がかまいたちの害に遭うことがないのは、邪気が正気に勝てないという道理から説明できる」
と評された。


なお、鎌鼬現象を現代に持っていくと、やや残酷なものになってくる。
「学校の怪談大事典」(ポプラ社、学校の怪談編集委員会 著)にこんな話が載っていた。

●或る若いカップルが車の窓を開けて(或いはオープンカーか)高速道路を走っていた。話をしていた二人だったが、そのうち女の方が無口になった。男が何気なく助手席に眼をやると、女の首がなかった。


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