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第十話:鉄鼠

解説:頼豪阿闍梨は三井寺の僧。
平安時代も末のこと、皇子の生まれない白河天皇は、頼豪に皇子の誕生祈願を頼んだ。もしこの祈願が成就した暁にはいかなる望みも叶えよう、と天皇は頼豪に約束した。
頼豪の祈願が見事に成就し、皇子は生まれた。頼豪は祈願の見返りとして、三井寺の戒壇建立を天皇に願った。
ところが、頼豪のこの願いが聞き入られることはなかった。実は当時、三井寺の競争相手でもあった比叡山延暦寺がこれを強く反対したのだ。
頼豪はすっかり落胆してしまい、持仏堂にこもって断食に入った。
頼豪の心の中は恨みに燃えていた。そして、自らの祈願で誕生した皇子を道連れに魔道へ赴くと呪いながら憤死した。皇子はわずか四歳で亡くなった。

しかしこれで終わりではなかった。頼豪の呪いは戒壇建立を阻んだ延暦寺へ向けられたのである。

「山門といふ処があればこそ、我寺に戒壇をばゆるされぬ。されば仏法を滅ぼさん」

やがて頼豪は大鼠となり、八万四千もの鼠の大群を率いて延暦寺に押しかけ、仏像や経典を食い破ってしまった。これに恐れをなした延暦寺は、麓に鼠禿(ねずみのほこら)を建てて祀ったといわれている。


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