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拾遺之苦:鉤手の男

●湖畔のキャンプ地で余暇を楽しんでいる人を次々と殺していく、ホッケーマスクの怪人。こう書けば、「13日の金曜日」という映画を思い浮かべる人が大半だろう。
「うわさの科学」(松田美佐/著、河出書房)によると、この映画がある地方で語られていた狂人伝説と共通のモチーフを持っていて、且つ又、この映画自体が「殺人鬼ジェイソンは今も生きている」などという馬鹿らしい「うわさ話」の元ネタになったそうだ。
 これから紹介する話に元ネタとなった小説や映画があるのかは分からないが、これはアメリカの都市伝説であり、スプラッター映画のワンシーンのような、「鉤手の男」の都市伝説である。


●あるカップルがデートをしていた。
森の奥へ車を走らせていると、そこに湖があったので車を留めた。人気が無く静かなので、二人は車のラジオをつけた。
 ラジオではニュース速報を流していた。それによると、刑務所から脱獄した殺人鬼が未だ捕まらないので、近隣の住民は注意をするように、ということだった。男の特徴は、片手が鉤手であるという非常に分かりやすいものだ。しかも男の逃げ出した刑務所はこの湖畔の近くだった。
 そのうち、彼女の方が怖がりだした。
「殺人鬼ですって。ねえ、帰りましょうよ」
「大丈夫さ。いざという時は俺が守ってやるさ」
 男は笑いながら言ったが、彼女の怖がり様は尋常ではなかった。
「お願いよ、早くここを出て町へ帰りましょうよ」
 デートの雰囲気はすっかり台無しだった。
「分かったよ。君がそこまでいうなら家まで送ってくよ」
 男もとうとう折れ、車を走らせ湖を後にした。

 やがて彼女の家についた。
 男が彼女を玄関まで送ろうと車の扉を開け、彼女の居る助手席側のドアのところまでくると…
 
 
 ドアには鉤手が食い込んでいた。



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