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第八十四話:以津真天

●「広有いつまで/\と啼し怪鳥を射し事、太平記に委(くは)し」(今昔画図続百鬼)

●「いつまで」と読む。陰摩羅鬼のような、不気味な化鳥。炎を吐くという。
この妖怪に「以津真天」などという凄い当て字を当てたのは鳥山石燕で、『今昔画図続百鬼』に載っている。「いつまで」というのはこの妖怪の元々の呼び名ではなく、妖怪の鳴声から後付された名であると見て良い。
この妖怪同様宮中で啼いて天皇を煩わせ、後に源頼政によって射落とされた「鵺(ぬえ)」という妖怪が居るが、石燕の遊び心か、『今昔画図続百鬼』の明の巻では、見開きで両者が見えるように工夫されている。また構図も良く似ており、向き合っているその様は、あたかも鵺と以津真天が戦っているかのようにも見える。

「太平記」によれば建武元年、紫宸殿の屋根の上にこの妖怪があらわれ、
「いつまで、いつまで」
と鳴いた。
隠岐次郎広有が天皇の命を受けてこれを射落としたところ、頭は人間、身体は蛇、嘴の先は鋭く歯は鋸のようで、両足には剣のように鋭い爪のついた、不気味な鳥であった。

●柴田宵曲『続・妖異博物館』によれば、この化鳥退治の話は日本独自のものではなく、中国の『捜神記』にもあるそうだ。


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